【ライブレポート】「色の生まれる日」―Salia、10周年を彩る特別な一夜―

活動10周年を迎えるシンガーソングライターのSaliaが、『色の生まれる日』と題して、10th anniversary ONE-MAN LIVEを阿倍野ROCKTOWNで開催。彼女の記念すべき1日を祝福するために、多くの観客が会場に足を運んだ。

(O.A.)Miranda Otsuji

photo by 柴犬

ワンマンライブのオープニングアクトを務めたのは、Saliaと共に「カンパイツアー」というイベントを行っている盟友、Miranda Otsuji。これまでの「カンパイツアー」を彷彿とさせるように、『旅をしよう』からライブはスタート。アコースティックギターの音色に乗せて、Saliaへの想いを込めて感情豊かに歌い上げていく。「来年からカンパイツアーを再始動しようと思っています! 今日は素晴らしい1日にしましょうね」と彼女は語り、続けてアコースティックギターを置いてマイクを手に取り、夏の思い出を歌った楽曲『夏』を披露。鍵盤の音色と心に染み渡る歌声が、歌詞の情景を鮮やかに脳裏に浮かび上がらせてくれる。

「Saliaさんが描きたかった色、みなさんが描きたかった色。一緒に描いていきましょう」。来年2月には、今回の会場である阿倍野ROCKTOWNでワンマンライブを控えている彼女が、Saliaからのバトンを受け取るべく、最後の楽曲『ゆめ』に想いを込めて歌い始めた。目の前の人に夢は叶うものだと信じ、夢を見ることの大切さを伝える彼女。Saliaが一度音楽を辞めようと思ったことがあるという話を聞いていたMiranda。そんなエピソードもあり、今日という一日に繋がっている。夢を叶えるために光に向かって歩み続けたからこそ、10年という道のりがあったのだろう。Saliaへの熱いエールを送り、Miranda Otsujiはオープニングアクトを見事に務め上げた。

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セットリスト
1.旅をしよう
2.夏
3.ゆめ

幕が開けると、ステージを赤く染め上げる照明とスモークの中、本日の主役であるSaliaが登場。バンドメンバーを率いてギターをかき鳴らす様子は、まさにロックスターそのものだった。1曲目は『雷雨につき』。彼女の芯のあるかっこいい歌声に、今日のために集められたバンドメンバーのロックサウンドが加わり、会場のボルテージを一気に上げていく。

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「Saliaです! 歌うぞー!!」と続けて、『女郎蜘蛛』を披露。ムーディーな空気感を放ちながらも、ギターサウンドが際立ち、彼女の個性が爆発したような1曲に仕上がっている。Gt.田口ユウジが哀愁を漂わせるようなギターソロを披露し、色気を放っていた。

「改めて今日は来てくれてありがとう! 今日はたくさんいろんな音楽を届けるので楽しんでください」と感謝を伝え、『シュガーレディ』を披露。先ほどとは表情を変えて、甘く優しい歌声と朗らかなメロディに観客たちは肩を揺らして楽しんでいた。

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何度も企画では立ったことがあった阿倍野ROCKTOWNのステージだが、ONE-MAN LIVEとしては今回が初めてとなる。特別な1日にしようという気持ちを込めて披露したのは、First full album『Blooming Blue』の収録曲『沈黙の魚』。キーボードのOTOHAが奏でる音色が、海に沈んでいく光景を思わせ、まるで壮大な海を彷彿とさせる1曲が心の奥底まで響き渡った。

「手拍子できる?」と彼女が笑みを浮かべて問いかけ、『カラスアゲハ』がスタート。長く歌い続けてきたこの曲だからこそ、彼女は落ち着いた表情でクールに歌を届けてくれた。

曲が終わり、暗闇の中スポットライトに照らされて浮かび上がったのは、アコースティックギターを1本抱えたSaliaの姿だった。普段から弾き語りでの活動が多い彼女だからこそ、そのステージでも観客を魅了する。弾き語りで最初に披露したのは『綺麗な私とメンソール』。バンドセットで見せる彼女とは異なる、柔らかなイメージを見せる。ギター1本で届けられる歌声は、彼女の魂がこもり、聴く者の心に深く入り込んでいく。

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「あっという間にアコースティックステージになりました! バンドもいいけど、弾き語りも聴きたいよね?」と問いかけると、観客たちは大きな拍手で応えた。その反応に安心した表情を浮かべ、彼女は続けて『Bird』を披露。観客の手拍子が音となり、曲に彩りを与えていく中、彼女はまるで空高く羽ばたく鳥のように自由に歌い上げた。

コロナ禍の中、声も出すことができなかった前回のワンマンライブから4年が経ち、今回は3rd Full Album『Redolent Red』のリリース記念も兼ねたライブ。ワンマンライブを開催する決意をした際、アルバムのリリースも決めた彼女は、ストックがない中で今日のために新曲を作り続けてきた。

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この4年間を共に駆け抜けてきたMiranda Otsujiへの感謝を伝えるかのように、彼女が企画したコンピレーションアルバム『JOURNEY』に収録されている、旅をテーマにした楽曲『気まぐれドライブ』を披露する。その後、『High Jump』では、赤く染まったステージの中でクールにギターを弾き、ギターのリズムに合わせて観客の手拍子が広がっていく。彼女のギターテクニックが観客の手拍子という波紋を次第に広げ、音が一体となっていく瞬間が訪れた。

「音楽を続けていると、たくさんの人と出会います。先輩も後輩も、ステージで輝く姿を見ていると、そんな人たちの光を受けて自分が立っているように感じたこともありました。私自身、脇役のように感じたこともありましたが、今日は私のために集まってくれたので、自分が光になれるようになりたいです」と語り、新曲『月のステージ』を届けた。これまでの自分や、歌い続ける意味を歌詞に込めたこの1曲は、思わず筆を止めてしまうほど心に刺さった。観客たちも私と同じように胸に響いたのだろう。大量の拍手が彼女に贈られた。

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勢いのあるドラムのサウンドが会場内に響き渡り、バンドステージが再開。後半戦の1曲目を飾るのは『プラム』。サポートメンバーが登場し、Saliaは安心した表情を見せながら疾走感あふれるバンドサウンドと共に歌を届けていく。「2部、上げていきますよー!」と叫び、『深夜2時』を披露。カラフルな照明に照らされる中、ミラーボールが会場を輝かせ、ジャジーなメロディが響く場内はまさにダンスフロア。サビの「深夜2時の甘い夢」というフレーズがクセになり、メロディと共に思わず体は踊り出していく。

クールな雰囲気を漂わせたライブステージから一転、彼女らしさ溢れるトークで和やかな空気を作り、不思議な世界の歌『橙』を披露。オリジナリティ溢れるバンドサウンドが会場を包み、鍵盤の音色が聴衆を不思議な世界へと誘っていった。

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続いて披露された『中毒』では、ラテンのリズムが中毒性を誘い、観客の体が自然と踊り出していく。そんなこの曲には、彼女のルーツともいえるアーティストの魂が滲み込んでいた。

「次で最後なんですよ」と伝えると、会場内からは「えー!」と歓声が響いた。「楽しい時間ってあっという間に過ぎていきますね。幸せです!」と語る彼女は、「幸せ」と口に出すことが少ないと明かした。今日という1日が、彼女にとって特別で大切な時間であったことが伝わってくる。

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「泣きたくなる日もたくさんあったけど、その涙も無駄じゃなかったなと思える日になりました。皆さんにとっても、今日という1日が明日を頑張れる1日になってくれたら嬉しいです。」そう言い、最後の楽曲『紫陽花』を披露。

鍵盤の優しい音色が心の中にスーッと入り込んでいく。これまでに様々な表情を見せてくれた彼女の音楽たち。最後の楽曲では、温もりのある1曲で観客一人一人を包み込むように歌い上げ、ステージを後にした。

アンコールの手拍子と声が途切れてしまうのではないかと思われるほど、熱いアンコールが会場に響き渡り、Saliaが再び登場。

バンドメンバーを呼び込むが、メンバーが現れずに探しに行くと、観客席からサポートメンバーが登場。「タオルを回したり、拳を上げて一緒に楽しんでいきましょう!」と、ミュージックビデオも公開されている『夢の糸』を披露。
「元気な人も一緒に楽しみましょう!」と呼びかける彼女に、座席のある会場で次々と立ち上がる観客たち。エネルギッシュな音楽に乗せられ、拳を振り上げ、タオルを回し、手拍子をしながら思い思いに楽しむ観客たち。その姿を見て、Saliaは最高の笑顔で今日という1日の幸せを噛みしめていた。

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「これで今日は終わりですが、これからもライブ活動を続けていきますので、ぜひよろしくお願いします!」と挨拶し、最後はゆったりとした雰囲気でバンドメンバーを紹介。その光景から、メンバーたちの楽しさが伝わってきた。今日という1日の最後を彩るのは『Someday』。一人一人の楽器の音が豊かな彩りを作り、関わってくれた人への感謝、そしてこれまで応援してくれたファンへの愛を届けてくれた。

アーティスト活動をスタートしてから10周年という節目を迎えた今回のワンマンライブ。数々の苦悩を乗り越えながら続けてきた10年間。その経験があったからこそ、この特別な1日が実現したのだ。これまでの旅の道のりを振り返り、新たな一歩を踏み出す彼女。これからも多くの人に光を与えながら活動を続けていくだろう。

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Salia 10th anniversary ONE-MAN LIVE『色の生まれる日』セットリスト

1.雷雨につき
2.女郎蜘蛛
3.シュガーレディ
4.沈黙の魚
5.カラスアゲハ
6.綺麗な私とメンソール
7.Bird
8.気まぐれドライブ
9.High Jump
10.月のステージ
11.プラム
12.深夜2時
13.橙
14.中毒
15.紫陽花
16.夢の糸
17.Someday

サポートメンバー
Gt. 田口ユウジ https://x.com/yjtgc_6st
Key.OTOHA https://x.com/otohakun_inu
Ba.鈴木健司 https://x.com/ahyeahbbbb
Dr.益田和裕 https://x.com/matthew_massun
会場:阿倍野ROCK TOWN http://rocktown.jp/index.html
カメラマン:柴犬 https://twitter.com/shibaken526
ライブレポート:音楽インフルエンサーRYO https://x.com/yo19930223

Salia プロフィール
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大阪府八尾市出身のシンガーソングライター。ジャンルを超えた様々な楽曲を歌い上げる。ヴォーカル講師としても活動しており、日々音楽の楽しさを生徒達へ伝えている。

≪SNS≫
HP:https://t.co/SHQGXf119O
X:https://twitter.com/ssw_Salia
Instagram:https://www.instagram.com/singer_salia/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCusqKvSxreH6I9A2sm3CkXA?app=desktop

ライブ情報

3rd.Full Album『Redolent Red』トレーラー

Miranda Otsuji プロフィール
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地元東大阪市の花園ラグビー場にてフェス主催を夢見て活動中のシンガーソングライター。ユメカナエフェスの実行委員長を務める。半年間テレビ大阪オープニング『ASA』放送。
≪SNS≫
X:https://twitter.com/mirandaotsuji
Instagram:https://www.instagram.com/mirandaotsuji
HP:https://ohayouyurikasan.wixsite.com/mirandaotsuji
Youtube:https://www.youtube.com/c/otsujimiranda

ライブ情報

2025年2月5日(水)阿倍野ROCKTOWN
2nd ONEMAN LIVE FLAVORワンマン
現在チケット販売中
チケットはこちらから
https://mirachama.official.ec/