【新曲レビュー】RYO Weekly Music Selection 6選≪2025/08/27≫

2010年代R&Bをルーツに持つサウンドを現代的に昇華させ、恋愛をメタファーにしながら音楽へのリスペクトと深い愛情を歌い上げた渾身のR&Bチューン。トラックの洗練された質感とメロディの流麗さが、BE:FIRSTならではの世界観を際立たせている。

ここまでクールで力強い楽曲やエモーショナルなバラードが続いてきたからこそ、この「Secret Garden」のおしゃれで都会的な雰囲気は新鮮に響く。色気を帯びながらも心地よさを忘れない歌声に魅了され、思わずリピートしたくなる一曲だ。

カバーアルバム『〇〇と二宮と2』に追加収録された一曲。YOASOBIが2作目の配信楽曲として発表した「あの夢をなぞって」をカバーしている。

原曲と聴き比べると、バンドサウンドによる盛り上がりと、二宮の歌声がもつ儚さが絶妙に重なり合い、楽曲に新たな息吹を吹き込んでいる。YOASOBIの原曲が持つ透明感や物語性を大切に残しながらも、彼ならではの空気感と表現力によって、オリジナルとはまた違う温度を感じられる仕上がりとなった。

“おいしいおんがく”をコンセプトに掲げる、いま注目のバンド・chef’s。最新曲「メイブルー」は、TVドラマ『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』第5話のエンディングとして書き下ろされた。

キャッチーで心地よいメロディに、透明感あふれる歌声が重なり、夏の空気をそのまま切り取ったような爽やかなナンバー。タイトルの通り「夏のブルー」を思わせる涼しげな色合いをまといながらも、温度感のあるサウンドが心を晴れやかにしてくれる。聴けばきっと、夏の思い出と一緒に口ずさみたくなる一曲だ。

2005年8月24日にリリースされたインディーズミニアルバム『空いっぱいに奏でる祈り』が、ついにサブスク配信をスタート。その中に収録されている「等身大のラブソング」が、2025年リマスターとしてよみがえった。

新曲として紹介するかどうか迷ったが、それでもこの作品がサブスクで聴けるようになったことをどうしても伝えたかった。平成の香りを思い起こさせてくれる、個人的にも思い出深い一曲。時を経ても色褪せないその魅力を、ぜひ若い世代にも聴いてほしい。

高校の小さな部室から生まれた、高知県発の超無名バンド・sympathy。先日、SNSを眺めていて偶然出会ったのがこの楽曲だった。キュートな歌声と中毒性のあるメロディ。どこか懐かしさを感じさせながらも、令和らしいフックを持つサウンドは“レトロと現代のハイブリッド”といえる仕上がりだ。

そして彼女たちが高知県出身だと知ったとき、自分も同じく高知生まれだからこそ、嬉しさと親近感を覚えた。小さな部室から生まれた音楽が、こうして遠くの人間の心をも動かしている。そのこと自体が、このバンドの大きな魅力だと思う

3カ月連続リリースの第2弾となる本作は、イントロから耳を奪う力強いロックサウンドで幕を開ける。疾走感あふれるバンドアレンジが広がり、まるでライブハウスにいるかのような熱気を感じさせる。

胸の奥をざわつかせる青春の情景が浮かぶ一方で、聴き進めるうちに心がふっと軽くなるような解放感も味わえる。夜篠ケンジの鋭いサウンドメイクと、初音ミクの声が融合することで生まれる独自の世界観は、まさに彼ならではの魅力。耳に残るロックナンバーに仕上がっている。