【新曲レビュー】RYO Weekly Music Selection 6選≪2025/10/29≫

こちらは、私が公式ユーザーを務めるストリーミングサービスの AWAで毎週水曜日に公開される『【邦楽】今週の最新曲』というプレイリストを全曲聞いてオススメの楽曲を紹介しています。

今週は290曲の中からおすすめの6曲を紹介します。ぜひ、新曲と出会うきっかけに。

BE:FIRST『I Want You Back』

ベストアルバム『BE:ST』に収録された、The Jackson 5の名曲「I Want You Back」のリメイクカバー。原曲への深いリスペクトを感じさせながらも、ラップパートでは彼ら自身の歩みを想起させるようなリリックが印象的だ。懐かしさと新しさが絶妙に融合し、BE:FIRSTらしいポップでスタイリッシュな仕上がりになっている。

アルバム全体を通して聴くと、デビューからこれまでの彼らの軌跡が一本のストーリーとして浮かび上がる。私自身、これまで新曲レビューを書き続けてきた中で、BE:FIRSTと共に時を重ねてきたんだと改めて感じさせられた。

音楽性を進化させながらも、常に自分たちの“原点”を大切にしている彼ら。『I Want You Back』は、そんなBE:FIRSTの「過去と未来をつなぐ」象徴のような楽曲であり、ファンとしても心から誇らしくなる一曲だ。

Travis Japan『Disco Baby』

12月3日に発売されるニューアルバム『’s travelers』のリード曲。70年代のディスコを彷彿とさせるような、懐かしくも思わず体が動いてしまうグルーヴが印象的だ。レトロな要素を取り入れながらも、ラップやモダンなサウンドアレンジが施されており、現代的でキャッチーな作品に仕上がっている。

イントロから感じられる高揚感と、ショーの幕が上がるような華やかな空気感。まさに“エンターテインメントグループ”としてのTravis Japanらしさが凝縮された1曲といえるだろう。アルバムの世界観を象徴するようなこの楽曲を聴くと、リリースがますます待ち遠しくなる。

離婚伝説『ファーストキス』

Honda VEZEL e:HEV RSの新TVCMのために書き下ろされた楽曲。風を感じるような爽やかなメロディと、透き通る歌声が印象的だ。離婚伝説らしいどこかレトロでロマンチックな空気をまといながらも、ドライブにぴったりな疾走感を兼ね備えている。

エモーショナルな歌詞は、車窓から流れる景色や初恋の記憶を思い出させるようで、聴く人の心に温かく残る。CMとの親和性も高く、離婚伝説というバンドの存在をさらに多くの人へと広げていくきっかけになる1曲だ。

メリクレット『偽物』

「涙伝う日常に、奏でる藍の逆さ傘を。」をコンセプトに活動する、北海道札幌市発の男女混合4人組バンド・メリクレット。
「割れかけの仮面を必死に被る僕らは孤独だ 偶像に塗り固められた僕は何者だろう 未だ答えを探している」と語る今作は、まさに彼らのコンセプトを体現したような1曲だ。

凛としたボーカルの歌声が静かなサウンドに映え、少ない音数の中で生まれる緊張感が楽曲全体を包み込む。徐々に音が重なっていく展開では、心の奥に秘めた葛藤や希望が浮かび上がるようで、聴くたびに新たな表情を見せてくれる。

以前ラジオでも紹介したが、今作で見せる新たなアプローチには思わず嬉しくなった。繊細さと力強さが共存する、個人的にもとても印象に残る1曲。

カミカワユウナ『Slave of Liberty』

「ニューヨーク行きの飛行機の中で思ったことを詰め込みました」と本人が語る今作は、まさに“自由”という言葉の本質を問うような一曲。軽やかで洗練されたサウンドが空へと解き放たれるように広がり、変化を続ける構成がまるで雲の上を漂うような浮遊感を生み出している。

彼女の華やかで透明感のある歌声は、そんなサウンドの中でもしなやかに存在感を放ち、聴く人の心を解きほぐす。ステップを踏みたくなるような心地よいリズムと、メロディに込められた“解放”の衝動。
タイトルの“Slave of Liberty(自由の奴隷)”という矛盾した表現が示すように、自由を追い求めるほどに何かに縛られてしまう――そんな人間らしい感情を繊細に描いている。

ポップで都会的、それでいて深いテーマを持つこの楽曲は、カミカワユウナの新たな表現の扉を開いた1曲といえるだろう。

ニューアヤカ『GUM』

大阪出身のシンガーソングライター・ニューアヤカ。ポップでキャッチーなサウンドに、彼女のやさしく明るい歌声が重なり、自然と笑顔になれるような幸福感を届けてくれる。どこか強がりながらも“前を向いて歩いていこう”という想いが詰まったリリックには、日常の中で小さな勇気をくれるような力がある。

ポップなメロディの中にほんの少しの切なさが混ざり合い、彼女の等身大の魅力がより際立つ作品。アルバム『ニュー』以降、個人的にも注目しているアーティストのひとりで、11月6日にカミカワユウナとのツーマンライブが大阪で開催される予定。そこで初めて生のステージを見られることが今からとても楽しみだ。

AWAプレイリスト 収録

BE:FIRST『I Want You Back』
Snow Man『悪戯な天使』
Travis Japan『Disco Baby』
Vaundy『偉生人』
緑黄色社会『My Answer』
離婚伝説『ファーストキス』
なとり『にわかには信じがたいものです』
ヒグチアイ『花束』
中島健人『Can’t Stop』
Omoinotake『Gravity』
ストレイテナー『My Rainy Valentine』
ACIDMAN『アストロサイト』
ELLEGARDEN『アイソトープ』
CONTRASTZ『YARD』
礼賛『超BUSY』
Lucky Kilimanjaro『フラワー』
大橋ちっぽけ『言ってよ』
NEE『新しい惑星』
kobore『夜に焦がれて』
luvis『gimme!』
Gateballers『lucky 3』
さゆに!『君と地獄なら怖くない』
メリクレット『偽物』
カミカワユウナ『Slave of Liberty』
ニューアヤカ『GUM』
美侑『表現者になりたくて』
yummy’g『SAW』
Potomelli『Won’t You Be My Friend』
YOSAME『エール』
バウンダリー『グッドラック』

AWAプレイリストはこちら
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