【ライブレポート】Emorsive-情動と没入-Vol.4

クリエイターやイベンターとして活動する朝ステときたゆいによるイベント「Emorsive-情動と没入-Vol.4」が、2024年11月22日にFootRock&BEERSで開催された。企画タイトルは、emotional(情動的な)とimmersive(没入感のある)を足した造語で、”Emorsive”と命名された。2人が名付けたイベントタイトルを象徴するようなアーティストたちが、今宵ここに集結した。

「Emorsive-情動と没入-」コンセプト

企画タイトルのEmorsiveは、emotional(情動的な)とimmersive(没入感のある)を足した造語で、”エモーシブ”と読みます。音の洪水に飲み込まれ、日常を忘れてその世界に入り込む。身体中がヒリヒリするような、それでいて心地良いような、不思議な感覚に身を委ねる。ライブという場だから生まれる情動と没入を体感してほしい。そんな想いが込められています。

LiLY Moratorium

photo by きたゆい

イベントの幕開けを飾ったのは、〖生きている証明を掻き鳴らす〗という言葉を掲げる4ピースギターロックバンド、LiLY Moratorium。心に寄り添うような優しく儚い歌声から始まり、疾走感あふれるバンドサウンドでスタートしたのは『群星の夜』だった。ギターのメロディがきらめきを放ち、ドラムのリズムが観客の心拍を加速させる。続いて、「新曲やりまーす!」とVo/Gt.天珠が声を上げ、新曲を披露。演奏が進むにつれ、ギターがさらに大きく響き渡り、会場の空気を一変させた。疾走感あふれるバンドサウンドの中にも優しさを湛えた彼の歌声は、まるで洪水のように観客の心に浸透していく。

1曲1曲から伝わってくる“生きている証明”。この言葉は、彼らの音楽を貫くコンセプトであり、その心情そのものでもある。ステージ全体を通じて、その信念が観客に力強く伝わってきた。

photo by きたゆい
photo by きたゆい
photo by きたゆい

「今日は呼んでいただきありがとうございます! 僕らはVol.3にも出演させていただき、今回Vol.4にも呼んでいただけて嬉しいです! 最後までよろしくお願いします!」と、Vo/Gt.天珠が感謝の言葉を述べた後、披露されたのは『勿忘草』。これまでの楽曲とは異なるエモーショナルなサウンドが歌詞の深みを際立たせる。そして続く『橙々』では、静かなイントロから疾走感あるサウンドへと急展開。1曲の中で絶え間なく変化するサウンドは、まさにイベントタイトルを体現する“エモーシブ”そのものだった。感情のジェットコースターのような演奏は、観客に強烈な印象を残しただろう。彼らの圧巻のパフォーマンスが、イベントのスタートを鮮烈に彩った。

photo by きたゆい

セットリスト
1.群星の夜
2.新曲
3.ひだまり
4.勿忘草
5.橙々

photo by きたゆい

神戸〖生きている証明を掻き鳴らす〗4ピースギターロックバンド。fr. 神戸ART HOUSE

≪SNS≫
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Instagram:https://www.instagram.com/lily_moratorium/
Youtube:https://www.youtube.com/@lilymoratorium350

ハゼガレ

続いてステージに登場したのは、バンド編成宅録ソロプロジェクト・ハゼガレ。カラフルな照明に照らされたバンドサウンドは、激しさと明るさが同居する独自の世界観を放っていた。1曲目を終えると、Vo/Gt.ふくたが「よろしく」と一言添え、披露されたのは『在り方』。洪水のように押し寄せるギターのメロディと胸を打つドラムのリズム、そして激しさの中に切なさを感じさせる彼のハイトーンボイスが観客の心を揺さぶった。次々と怒涛のように降り注ぐ楽曲たちは、観客たちの心を刺激し、会場の空気を少しずつ熱気に満ちたものへと変えていった。曲が終わるたびに会場からは大きな歓声が沸き起こった。

「普段のライブも全力でやってるけど、今日みたいな意味が込められてるイベントが大好きです。衝動と没入にどこまで届けられるかわかりませんが、最後までよろしくお願いします」
イベントのコンセプトに共鳴するように、ハゼガレ自身の“エモーシブ”を込めたパフォーマンスが続く。披露された『クライネ』では、彼らの音楽が持つ深みとエモーショナルさが際立ち、観客たちはさらにその世界へと引き込まれていった。

MCでは、「主催のきたゆいさんとは前にやっていたバンドからの付き合い。もっとこのバンドを早くからやってたらと思うこともありますが、今日という日はきたゆいさんとの出会いがきっかけ。続けていくことに意味があると感じました」と語り、イベントへの感謝と想いを伝えた。そして、最後に披露されたのは『モラトリアム』。この日への思いを込めたエモーショナルな演奏が、観客の心をさらに震わせた。

今日という1日に特別な意味を刻み込む、まさに“情動と没入”を体現したハゼガレのパフォーマンスは、会場を一体感で包み込んだ。

セットリスト
1.やるせない
2.在り方
3.平行線
4.クライネ
5.朝月
6.モラトリアム

バンド編成宅録ソロプロジェクト Vo&Gt ふくた

≪SNS≫
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TikTok:https://www.tiktok.com/@hazegare

かりすの死骸

幕が上がると同時にテンションを爆発させ、ステージをスタートさせたのは、3ピースエレクトロニカバンド・かりすの死骸。Gt.&Tomを担当するミカちゃんとDr.りっきーが2人で演奏を繰り広げる中、Vo.いさみがステージ上を縦横無尽に動き回る。見た目のインパクトに負けないラウドなサウンドが響き渡り、それまでのライブとは一線を画す空気感が会場全体を包み込んだ。

ミカちゃんはギターとタムを自在に操り、音を紡ぎ出す。その中でいさみのシャウトが炸裂し、ステージの空気は次第に彼らの“ホーム”へと変わっていく。赤い照明に染まったステージで、まるで踊るように自由に動き回るボーカル。その姿と激しいサウンドが融合し、観る者に過激さと高揚感を与える。

観客たちの反応もさまざまだ。首を揺らしてリズムに乗る者、拳を力強く振り上げる者。それぞれが思い思いのスタイルで彼らの音楽に没入していく様子が見て取れた。1曲1曲、激しさとテクニカルさを兼ね備えたサウンドで、観客をさらに深いステージの世界へと引き込んでいく。

Vo.いさみが「みんな元気ー!」と声を張り上げると、場内からは拳を突き上げて応える観客たちの姿が広がる。彼らの刺激的なサウンドは、観客を圧倒しつつも心地よい高揚感を与えた。会場全体が彼らの世界観に浸りきったまま、圧巻のパフォーマンスでステージを後にした。

セットリスト
1.PLAY THE GAME
2.E.A.E
3.Direction of Travel
4.Un Fashion
5.Aphrdita

2024年始動。大阪を拠点に活動しているスリーピースエレクトロニカバンド。エレクトロ、インダストリアル、ノイズなど、様々なジャンルを取り込んだ楽曲と、
グロテスクで可愛い電子的ポップなエンターテイメントは、他では味わえないだろうなあ……

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Instagram:https://www.instagram.com/charis_no_shigai/
Youtube:https://www.youtube.com/@CharisNoShigai1215

無銘 -mumey-

photo by きたゆい

続いて登場したのは、≪Emorsive≫の常連でもあるオルタナティブバンド・無銘-mumey-。雷鳴のように放たれるバンドサウンドが、瞬く間に会場を彼らの世界へと引き込んでいく。怒号のような音の波、猛スピードで駆け抜けるロックサウンドに、観客の心は次第に解放されていく。
披露された『街並み』では、Gt.&Cho.カワベがステージを降り、観客席でパフォーマンスを展開。彼のギターの音色と体を揺さぶる振動が、会場全体に響き渡り、観客の心拍を高鳴らせた。

photo by きたゆい
photo by きたゆい

今回のイベントタイトル≪Emorsive≫には、音の洪水に飲み込まれ、日常を忘れてその世界に没入してほしいという願いが込められている。無銘-mumey-の音楽は、このテーマを体現していると言っても過言ではない。彼らが生み出すサウンドは、まるで音の洪水のように観客を包み込み、怒涛のようなパフォーマンスが脳内にドーパミンを放出させていく。観客たちは次第に音楽に酔いしれ、音楽中毒に陥っていくかのようだった。

パフォーマンスの合間、バンドメンバーがビールを掲げて一口飲み干す場面もあり、その姿はロックバンドの自由で奔放なスタイルを象徴していた。彼らが放つ一つ一つのパフォーマンスは、まさにロックバンドの真骨頂といえるものだった。その姿は、令和という時代に新たな風を吹き込むような挑戦的な印象を与えた。ラストでは、ドラムのソロが会場に響き渡り、観客の歓声と共に壮大な世界観を作り上げてステージを締めくくった。

photo by きたゆい

セットリスト
1.calender
2.街並み
3.モノクロ
4.raw
5.outro

photo by きたゆい

2017.11.20 Alternative nerd music

≪SNS≫
X:https://x.com/mumey_mumei

白航

photo by きたゆい

今回のトリを務めたのは、夜行性シティポップ・ロックバンド、白航。Vo&Key.綾香はキーボードを演奏しながら、夜を踊り歩くように彩り豊かな歌声を届けた。これまでの出演者たちとは一線を画す独特の世界観で、会場を魅了していく。

披露された『悪魔の果実』では、ムーディーで軽快なメロディが観客の心を掴み、思い思いにリズムに乗る姿が印象的だった。歌謡曲の要素を感じさせつつ、彼ら独自の音楽性がさらにその世界観を広げていく。

軽快なリズムと共に雰囲気を一変させたのは『ネオストリッパー』。色鮮やかな照明が映える中、キーボードの澄んだ音色、エッジの効いたギターのメロディ、胸躍るベースライン、そして力強いドラムが重なり合い、観客の体を自然と踊らせていく。

photo by きたゆい

「ありがとうございます! 白航といいます! 楽しい時間はあっという間ですね! フライデーナイトを盛り上がっていきましょう!」と綾香が観客に語りかける。金曜の夜に響き渡る白航の音楽は、会場をさらに盛り上げていく。手拍子に合わせて披露された『mirrorball』では、力強さの中にも優しさが宿る綾香の歌声が響き、ポップでどこか懐かしいメロディが彩りを添える。カラフルな照明の中で踊りながら歌う姿が、観客たちにも楽しさを伝染させていた。

ステージを後にしたメンバーたちだったが、会場からの手拍子によるアンコールの声に応え、再び登場。今回が初めてとなる≪Emorsive≫でトリを務める白航は、「金曜日の夜に楽しんでいただけて嬉しいです。最後の最後になりますが、一緒に楽しんでいきましょう!」と語り、『少年少女進化論』を披露。金曜の夜をEmorsiveなひとときへと変え、会場の熱気を最高潮に引き上げてイベントの幕を閉じた。

photo by きたゆい

セットリスト
1.シティポップロック上海ガール
2.悪魔の果実
3.転音
4.ネオストリッパー
5.落日紅歌
6.mirrorball
en.少年少女進化論

photo by きたゆい

京都発シティポップロックバンド。
令和元年活動開始。何色にも染まる真白の帆を靡かせ、新時代を築く。 了(Ba.) /綾香(Vo.&Key.)

≪SNS≫
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Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC072Fa38lO4ynCMj308uNlQ

『Emorsive-情動と没入-Vol.4』関係者

主催&カメラマン:朝ステ@Re+Create 代表 
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Instagram:https://www.instagram.com/asasute.0809/reels/
主催&カメラマン:きたゆい
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Instagram:https://www.instagram.com/yui.kita26/
ライブハウス:FootRock&BEERS https://x.com/FootRock_BEERS
ライブレポート:音楽インフルエンサーRYO https://x.com/yo19930223
フード:喫茶室ラハト https://www.instagram.com/rahat_tearoom