【ライブレポート】第1回『PLUS OVER!!!!』

音楽インフルエンサーRYOが主催となり開催された弾き語りイベント『PLUS OVER!!!!』。こちらのイベントは、関西以外を拠点として活動をするアーティストの方を1組ゲストに迎えるスリーマンイベント。第1回目となる今回、素晴らしい3組のアーティストが心斎橋夜を灯してに集結した。

結城アツシ

1組目は、共同主催者でもある「夜の隅に寄り添える歌」を目指し関西を中心に活動している、結城アツシ。「PLUS OVER!!!!、始めます！」という叫びから彼の1stシングル表題曲でもある「ミュージック」を披露。アコースティックギターの音色を響かせて、彼のやさしい歌声が人々の心の中に届けられ、今宵のイベントにスタートの鐘を鳴らしてくれる。
挨拶をすると続けて、「悠縁冒険譚」を披露。古くからの親友にむけた気持ちを歌ったこの楽曲は彼らの歴史が詰まっていた。どこか緊張感のある歌声がこの曲と共にリラックスして歌いあげる姿を感じられる。そんな彼が奏でるギターの音色からは一歩ずつ歩き出す姿がイメージできる。今回、共同主催でもある結城アツシが今日の演者たちを紹介。
「山下さんは僕が呼びましたが、めっちゃくちゃいいんですよ！ハードルあげます！Ryo Yoshinagaさんも先程リハーサルで聞きましたがとてもいいので今日は良い夜になると思います！」
「年末ですね、去年末にコロナになったので今年は最悪のスタートでしたが、その時の腹立つ気持ちを曲にしました。」と「夜窓に泳ぐ」を披露。疾走感のあるギターの音色からは、苛立ちが感じられ、歌詞からはその時の感情を昇華したことが伝わってきた。

「寒いですね。という話をしようと思ってましたが、今日はあったかいですね。でも、寒いということにしてください。こういう日だと満たされてる人でも寂しさを感じるんじゃないでしょうか？この寂しさの正体はなんなんでしょうか。まな板にあるいろんな汚れが生活を表してるように感じられたのでこんな曲を作りました。」と「まな板」を披露。生活感のある歌詞から哀愁を漂わせて、彼の人間性と生き方が詰まった楽曲に仕上がっていた。続けて間を空けず「マジックアワー」を披露。安らぎを感じさせるメロディと優しい彼の歌声が心の中にスーッと入り込んでいく。ぬくもりが感じられる照明の下、あたたかく切ない歌を歌い上げていく。改めてお礼を伝える。「忙しい日々とかを心にして歌にできるそんな曲、続く日々を。」生活という呪縛、人並みに紛れたくて、そんな歌詞からは社会に行きながらも活動をしてる彼が作り出す頑張る人たちへの応援歌ともいえるだろう。
「忙しい日々の中でなんとか時間を見つけて歌を作ってます、ラスト1曲ナサケモノという曲を歌って終わります。」この1年の活動の終止符、そんなことを考えさせるような歌詞からは、情けない気持ちややるせない気持ちが伝わってきた。この曲に1年間の想いを昇華させて結城アツシは新たな目標に向けて2024年という1年を生きていくことだろう。
セットリスト
1.ミュージック
2.悠縁冒険譚
3.夜窓に泳ぐ
4.まな板
5.マジックアワー
6.続く日々を
7.ナサケモノ

山下優一

続いては、シンガーソングライター山下優一。ギターをかき鳴らし、熱量のある男らしい歌声で1曲目「シャラララ」から一瞬で空気感を作りあげていく「ハードルをめちゃくちゃ上げられたのでぶち上げていきたいと思います！」結城アツシに掻き立てられた想いに応える彼の歌声はそんなハードルを余裕で超えてくれる。続けて、「僕とコンビニ」を披露。

曲が終わると挨拶をして、「大丈夫ですか？」と余韻に浸る会場に問いかける。「今回、結城アツシさんからお招きしてもらって今日のイベントに出演をしました。結城アツシさんとは、私がスタジオをやっていて、自主企画イベントに出てもらった縁でした。まだ1年くらいの付き合いですが、仲良くさせてもらってます。」と結城アツシとの縁を伝えて、「喋れないからこそ歌ってます。煙という歌を。」アコースティックギターの音色と伸びのある渋い歌声。彼が歌う歌詞を聞いていると疲れた心に癒しを与えてくれる。ギターの音色と彼の歌声が心の鼓動を上げて、アップテンポのギターのサウンドが胸を高鳴らせてくれた。

RYOが事前の紹介記事でピックアップした楽曲「月が綺麗ですね。」を披露。聞き心地のいいアコースティックギターのメロディと想ってるけど素直に伝えることができないぎこちない気持ちを歌った歌詞。温もりを感じられる照明はまるで月明かりのよう。曲が終わるとお礼を伝えて、会場からは拍手がおくられる。
続いて「くさはえる」を披露。観客たち一人一人が気づけば彼の歌声を聞き込んでいく。そんな歌の力を感じられる演奏に魅了されていく。

「あと2曲です。これからがクライマックスとなります。CDで聴くのもいいんだけど生で聴く音楽には敵わないのでみんなライブに来てくれてるんじゃないかと思います。ソングライターとして歌った曲です」と「そんぐらい」を届ける。語りかけるかのように日常を歌う彼の姿からは日々の苦悩や葛藤、そして彼が生きる世界が歌詞から浮かび上がってきた。アカペラで歌い上げる彼の姿から彼の人生を伝えられていくように胸にどんどん刺さっていく。「ありがとう。」とお礼を伝えると大量の拍手が贈られた。「わらってほしいし、楽しんでほしい、自分が1番楽しんでいます！」
最後は、「HELLO BABY」ギターをかき鳴らしアップテンポで疾走感のあるメロディに会場からは自然と手拍子がなり始める。これまでの楽曲たちとはまた雰囲気を変えていく。ギターを引き上げる彼の姿は今日という1日を楽しんでいることが自然と伝わってきた。自分が信じる音楽スタイルですべてのお客さんに素晴らしい音楽を届けてくれた。

セットリスト
1.シャラララ
2.僕とコンビニ
3.煙
4.月が綺麗ですね。
5.くさはえる
6.そんぐらい
7.HELLO BABY

Ryo Yoshinaga

優しさが漂ってくるような鍵盤の音色から始まったのは、東京を拠点に活動中のRyo Yoshinaga。「こんばんは！最後まで楽しんでいきましょう。」1曲目は「星になる」を披露。歌いだしから一瞬で会場の空気を作り上げていく。やさしいピアノの旋律と彼女の美しい歌声は心に安らぎを与えてくれ、彼女の作り出す音楽に気づけば魅了されていく。

続いて、夢について歌った楽曲「Unelma」を披露。ジャジーな歌声、歌詞の世界観をよりイメージさせてくれるメロディ。描いた夢が覚めてしまわないように歌った歌詞からは今後の夢に向けた決意も感じることができた。
MCでは主催を行っているRYOとの出会いを語る。「楽曲をリリースした時に聴いてほしい人に突撃で送っています！2022年に新体制となり楽曲の連続リリースを行った際に連絡をさせていただきました！」

普段は誰かに鍵盤をやってもらうことも多い彼女。今回は、久しぶりとなる弾き語りでの出演で緊張をしていることを語った。「次の楽曲は、弾き語りでやるのは初めてです。RYOさんと出会ったきっかけとなった楽曲です。」と「Konomama」を披露。原曲とは雰囲気を変え、鍵盤だからこその温もりを感じられる。そんな彼女の歌声からは、緊張の文字は一切感じられなかった。

普段のRyo Yoshinagaのサウンドを楽しんでほしいということで弾き語りを一旦休み、ここからはオケで歌を届ける。「土曜日はなんでも自分でできるという気持ちになります。無敵の土曜だからこそ、浮かばれたいなという気持ちを歌いたいと思います。」と最新曲「浮かばれたいねサタデー」をライブで宇宙初披露する。
続いて「SHIKI」を披露。刻むビートと彼女のジャジーな歌声が空間を作り出していく。「普段バンドや誰かと一緒にライブをすることが多いです。なのでいつもだれかに助けてもらっています。おふたりとも歌詞も歌もすばらしかったです。」とイベントに出演をしていた2組のアーティストを賞賛し、「SS33」を披露する。
この楽曲は、いろいろと迷っていた2022年の心苦しい気持ちを歌っている。RYOが選んだ2023年上半期ベストソングにも選出をしたこの楽曲でオケパートは最後となった。

「たくさんの音楽に溢れている中、サブスクのお陰で海を超えてインドネシアやジャカルタで聞かれている楽曲です。最後は海の広さと愛を伝えたいと思います。SEA。」深い海の底に沈むかのように鍵盤の音色が届けられる。しっとりとしたバラードだからこそ彼女の歌声が彩りを与えてくれる。海よりも深い愛を歌に込めて出番を終えると大きな拍手が起こり、自然と拍手はアンコールの拍手へと変化していく。
最後は、未来への想いを込めた歌を歌い上げて今日という素晴らしい1日に幕を閉じた。

セットリスト
1.星になる
2.Unelma
3.Konomama
4浮かばれたいねサタデー
5.SHIKI
6.SS33
7.SEA

次回『PLUS OVER!!!!』の開催は3月23日です！近々出演者を発表します！

カメラマン：天王寺谷
ライブハウス：kitchen×music×bar 心斎橋 夜を灯して https://twitter.com/yoruwotomoshite