【アルバム紹介】三浦大知ニューアルバム『OVER』全曲レビュー!

三浦大知ニューアルバム『OVER』全曲レビュー!

今週2月14日に三浦大知の7th Album「OVER」がリリースされた。オリジナルアルバムとしては約7年ぶりとなる今作。このアルバムのリリースが決定した瞬間から楽しみにしていた作品でもあるので、今回は1曲ずつしっかりとレビューをしたいと思います。

『OVER』

出展:三浦大知HP
  1. Pixelated World
  2. 能動
  3. 全開 feat. KREVA
  4. 好きなだけ
  5. Flavor
  6. Light Speed
  7. 羽衣
  8. ERROR
  9. Sheep
  10. Everything I Am feat. Furui Riho

Pixelated World

ライブのSEをイメージさせるようなイントロ。力強さもありながら繊細も感じられる歌声。MVのパフォーマンスはまさに芸術作品と言いたくなるような一体感。歌だけでもクオリティ高いのにその完成度を何十倍にも引き上げるのが三浦大知のパフォーマンスだ。

能動

アルバムの先行配信としてリリースされたリード曲。初めてこの曲を聞いた時、新たなフェーズに入ったことを感じた。鼓動のようなビート、心の奥底から叫ぶようなフェイク。一瞬の間が入ることでラストの盛り上がりを何十倍も増やしてくれる。彼の新たな代表曲として定着しつつある楽曲でもあるだろう。

全開 feat. KREVA

これまで何度か共演をしてきたKREVAをゲストに迎えた楽曲。1番はKREVA、2番は三浦大知がメインとなりそれぞれの個性を全開に出した楽曲。「この身体無限じゃないから未来には目もくれない ただ今を生きるだけ 常に最高到達点」このフレーズが個人的に大きく刺さった。今を全開で生きている彼だからこそ、常に最高到達点となり結果として進化し続けているのだろう。

好きなだけ

おしゃれでクールなサウンドに乗せて、ひたすら好きなものを並べる歌詞。このクールさもありながら遊び心を感じられる音楽性がたまらない。音楽、ダンスが本気で好きということが曲全体からしっかりと伝わってくる。

Flavor

大人の色気を漂わせるようなメロディと彼の歌声。歌詞の中には、「Gotta Make You Mine」「Lullaby」などのこれまでの楽曲のタイトルが隠されている。歌詞からもメロディからも三浦大知の風味を味わえる1曲に仕上がっている。

Light Speed

クールで雰囲気でスタイリッシュなサウンド展開。歌詞の9割が英語で構成をされており、英語詞を主軸で歌うと彼の歌声のきれいさも際立ちをみせて、また違った彼の一面を見せてくれるように感じられた。

羽衣

スタート少ない音数の中、囁くように優しい歌声で歌い上げていく。途中から音数が増えていき、伸びのある歌声が主張していき存在感を放っていく。1曲で聞いた時全体的な曲構成に驚かされるがアルバムだと全体に馴染んでおり、当たり前のように聞けてしまう。

ERROR

鳥のさえずりと重ねているボーカル、ストリングスのサウンド。一つ一つが作り出す情景が脳内で大自然をイメージさせていく。そんな自然から宇宙へと変化していくようにアップテンポとなっていき曲全体の雰囲気はどんどん壮大になっていく。

Sheep

こちらも先行配信をした楽曲。昨年に先行配信されたのは「能動」とこの楽曲。「能動」と対して、ボーカルワークに全振りをしてファルセットを存分に詰め込んだ楽曲となっている。この2曲を聞いた時、アルバムの期待値を上げずにはいられなかった。

Everything I Am feat. Furui Riho

シンガーソングライターとして活動をするFurui Rihoをゲストに招いた楽曲。1番を三浦大知、2番をFurui Rihoが担当。「全開」とは逆の構成となっており、これからの時代を担うアーティストへの期待も感じられた。この曲が終わり、1曲目に戻ってみると違和感が全くない。だからこそ何度もループして聞いてしまう。

前作のオリジナルアルバムは「HIT」。この作品がリリースされたのは7年前。この期間彼を取り巻く環境と時代は大きく変化した。コンセプチュアルプロジェクト「球体」は、2010年代を代表する名盤として評価を得ている。また、数多くのボーイズグループがデビューをしたり、K-POPもより一層目立つようになり、ダンサーの人口も大きく増えていった。多くのダンサーが彼のパフォーマンスに憧れ、高みを目指している。また、朝ドラの主題歌となった「燦燦」ではダンスだけでなくボーカルとしての技量を多くの人に知らしめた。
こうやって振り返ってみると、この7年で三浦大知というアーティストの存在が大きくなっていったように感じられる。だからこそ、今作の期待値はファンだけでなく業界としての期待値は高かっただろう。だがそんな期待値を超えていくのが三浦大知だ。

1曲1曲の存在感はあるが、フルで聞いた時にはするっと入ってくるまとまりがある。そして、30分弱というアルバム全体の短さが何度もループしたくなる気持ちにもさせてくれる。7年間の経験はもちろんだが、今を生きて常に最高到達点を目指してきた彼だからこそのこのアルバムができたのだろう。これからも進化し続けるだろう三浦大知のポテンシャルの高さに脱帽しかない。

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