【新曲レビュー】RYO Weekly Music Selection 6選≪2025/10/22≫

こちらは、私が公式ユーザーを務めるストリーミングサービスの AWAで毎週水曜日に公開される『【邦楽】今週の最新曲』というプレイリストを全曲聞いてオススメの楽曲を紹介しています。

今週は293曲の中からおすすめの6曲を紹介します。ぜひ、新曲と出会うきっかけに。

あいみょん『ビーナスベルト』

2018年の「マリーゴールド」以来、実に7年ぶりとなるノンタイアップシングル。思えば「マリーゴールド」もタイアップなしで国民的ヒットとなった作品であり、それ以降のあいみょんの活躍を考えると、今回のリリースは“原点回帰”ともいえる。

サウンドには、どこか懐かしさと安心感が同居していて、あの頃の“あいみょん節”をしっかりと感じられる。シンプルなギターの響きに、あいみょん特有の少し切なく、それでいてあたたかいメロディ。7年の時間を経ても変わらない芯の強さと、表現者としての成熟が溶け合っている。

これまでのタイアップ曲たちも素晴らしいが、こういうナチュラルなあいみょん楽曲がやっぱりたまらない。聴く人の心に寄り添いながら、そっと日常を照らしてくれるような1曲だ。

Da-iCE『Monster』

TVアニメ「モンスターストライク デッドバースリローデッド」のオープニング主題歌。メンバーの岩岡徹と和田颯が作詞を担当し、和田颯が作曲も手がけた今作は、7月リリースの『ノンフィクションズ』のポップでキャッチーな印象から一転、重厚でヘヴィーなダンスナンバーとなっている。

これまでもジャンルの幅広さはDa-iCEの魅力の一つだったが、今作で驚かされたのは“貴重な5人歌唱曲”であること。それぞれの声が重なり合い、個性が際立ちながらも全体としてひとつのグルーヴを生み出している。力強いサウンドの中に繊細なニュアンスが共存し、グループの表現力の進化を感じさせる。

全員が踊って歌えるグループが増える中で、「俺たちもまだまだ進化している」というDa-iCEの意志を感じる1曲。グループとしての“威厳”と“挑戦心”が込められた、新たな代表曲になることだろう。

TOMOO『餃子』

11月12日リリース予定のニューアルバム『DEAR MYSTERIES』から先行配信された楽曲。餃子の“ひだ”を、人間関係に生まれる“皺寄せ”に重ね合わせながら、「誰かの幸せは誰かの不幸の上に成り立つのか」というテーマに切り込む、TOMOOらしい視点と感性が光る一曲だ。

最近ではタイアップ曲も増え、ポップな印象が強まりつつある彼女だが、今作ではそのイメージをいい意味で裏切ってくれる。サウンドの展開が大胆でありながらも、全体はしっかりとまとまっており、ジャンルの垣根を軽やかに飛び越えていく。彼女の歌声が持つ透明感と芯の強さがその多彩なサウンドに溶け込み、聴くたびに新しい表情を見せてくれる。

そして何より、この深いテーマを“餃子”という親しみやすいモチーフで描くセンスに、TOMOOらしい遊び心とユーモアを感じる。タイトルの時点で惹かれてしまうし、聴けばその意味に納得する。発想の豊かさとアーティストとしての柔軟さを強く感じさせる1曲だ。

Bray me『Carry on』

2025年4月にEP『START』をリリースして以降、各地のフェスやイベント出演を重ね、勢いを増し続けているBray me。先週リリースされた今作『Carry on』は、前作からさらにバンドとしての成長と芯の強さを感じさせるロックナンバーだ。

「誰かの目を気にしてしまう優しすぎる人たちへ」――そんなメッセージが込められた歌詞は、自分自身を肯定し、前へ進む勇気を与えてくれる。疾走感のあるバンドサウンドがイントロから心を高揚させ、力強くも繊細な歌声が胸に刺さる。

“自分の物語は自分自身が握っている”という一節に、私自身も強く共感した。2025年、自分を大切にすることを意識してきたからこそ、この曲はまるで自分への応援歌のように響いた。Bray meの音楽には、聴く人それぞれの“今”を肯定してくれる温かさと力がある。まさに、進み続けるすべての人に寄り添う一曲だ。

Czecho No Republic『What a Beautiful!!!!』

赤ちゃん向け番組『シナぷしゅ』2025年10月の“つきうた”として書き下ろされた新曲。90年代のギターロックを思わせるようなエネルギッシュで懐かしさを感じるサウンドに、Czecho No Republicらしいカラフルさとポップさが見事に融合している。

軽快なリズムの中に散りばめられたシンセサイザーの音色は、どこか神秘的で、まるで夢の中にいるような温かい世界観を作り出している。子ども向け番組の楽曲でありながら、大人が聴いても思わず笑顔になれるような多幸感にあふれており、Czecho No Republicの音楽が持つ“遊び心”と“希望”がしっかりと表現された作品だ。

聴く人の年齢を問わず、心を軽くしてくれるようなハッピーソング。タイトル通り、“What a Beautiful!!!!”と叫びたくなるような前向きな1曲だ。

Dolly Varden『EUREKA』

アルバム『EUREKA』の1曲目として収録された同名タイトル曲『EUREKA』。これまで“ロックの新回答”を提示し続けてきたDolly Vardenが、さらにその言葉の意味を深めてみせる一曲だ。

「信じ続けた道もいつかまでの割れ物」という印象的なフレーズが象徴するように、ただ“信じる”や“叶える”といった希望的なメッセージだけでなく、その裏にある壊れやすさや儚さまでをも描き出している。理想と現実の間で揺れる人間の心を、真っ直ぐなバンドサウンドで包み込むように表現しており、まさに彼らが掲げる“新回答”がこの一曲に凝縮されている。

高知県発のバンドとして活動を続けながらも、サウンドの完成度や世界観の深さは全国区の実力そのもの。私自身、今もっとも注目しているバンドのひとつであり、このアルバム全体を通して彼らの進化を感じてほしい。きっと聴き終えたあと、「EUREKA(発見)」という言葉の意味が、音楽を通して心に響くはずだ。

AWAプレイリスト 収録

あいみょん『ビーナスベルト』
Saucy Dog『奇跡を待ってたって』
tuki.『人生讃歌 – Song of Life』
TOMORROW X TOGETHER『Can’t Stop』
櫻坂46『Unhappy birthday構文』
Da-iCE『Monster』
こっちのけんと『わたくしごと』
TOMOO『餃子』
マルシィ『隣で』
yama『マジカルシンドローム』
柴咲コウ『宙-SORA-』
三浦透子『ほうき星』
藤原さくら『scent of the time』
CNBLUE『心盗夜』
Lavt『欠片』
Bray me『Carry on』
Aqua Timez『if you come』
yutori『愛してるって嘘ついた』
ルサンチマン『約束は午後四時に赤い屋根の公園で』
Organic Call『死にたい夜に音楽を』
yeti let you notice『continue?』
板歯目『スランプメーカー』
Czecho No Republic『What a Beautiful!!!!』
DOPING PANDA『the anthem 2025 Remaster』
アルカラ『suiren』
シベリアンハスキー『ふたりだけで』
窓際ぼっち倶楽部『生きててすみません』
Re:name『愛はきっとLonely』
CHUCK TAYLORS『燦々と青』
Dolly Varden『EUREKA』

AWAプレイリストはこちら
“【2025/10/22オススメ新曲】RYO Weekly Music Selection” by RYO on AWA
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