【新曲レビュー】RYO Weekly Music Selection 6選≪2025/06/25≫

こちらは、私が公式ユーザーを務めるストリーミングサービスの AWAで毎週水曜日に公開される『【邦楽】今週の最新曲』というプレイリストを全曲聞いてオススメの楽曲を紹介しています。今回は、289曲の中からおすすめの6曲を紹介します。ぜひ、新曲と出会うきっかけに。

三浦大知 「Polytope」

“別の宇宙にも同じように、一人で旅をする人がいる”
そんな想像を起点に、Nao’ymtとのタッグで生まれた新曲「Polytope」。

この楽曲を初めて体感したのは、大阪城ホールのライブ。感動のフィナーレを迎えた直後、突然はじまった静寂のなかに宿る熱。
息をのむような静けさと、そこに宿る強い意志。その全てが三浦大知の圧倒的なパフォーマンスとともに響きわたり、会場全体がひとつになっていく感覚に包まれた。

静かでいて深く、鋭く、力強い。
歌声、ダンス、空気、そのすべてが細胞を震わせる――そんな体験だった。
ライブで出会えたからこそ、何倍にも心に残った待望の1曲。リリースされたいま、あの時の熱がまたよみがえる。

SUPER BEAVER「主人公」

フジテレビ系『めざましテレビ』2025年度テーマソングとして書き下ろされた今作「主人公」。
SUPER BEAVER史上最大編成となるこの楽曲では、バンドサウンドに加えて、弦楽器・管楽器・ピアノといった華やかな編成が加わり、朝の爽やかな空気感をそのまま音楽にしたかのような開放感を感じさせてくれる。

「それぞれの毎日に、それぞれの主人公がいる」
そんなメッセージが込められた歌詞は、今この瞬間を生きている誰しもに寄り添い、背中をそっと押してくれる。

音の広がりとともに、心にも風が吹き抜けるような感覚。
日々の始まりに、今日という物語の“主人公”である自分を思い出させてくれる、温かく力強い応援歌だ。

櫻坂46「港区パセリ」

12thシングル『Make or Break』に収録された、BACKSメンバーによる楽曲「港区パセリ」。
タイトルだけを見ると、“なんだこのワードセンス…!?”とつい気になってしまうが、曲を再生した瞬間、そんな軽い気持ちをいい意味で裏切ってくれる。

クールなベースラインで始まるイントロは、予想以上にスタイリッシュで大人の余裕を感じさせる。そこに乗るラップやグルーヴ感ある展開がクセになるキャッチーさも加わり、まさに“港区の華やかさ”と“パセリのような切なさ”が同居する、不思議で魅力的な世界観を描き出している。

「主役にはなれなくても、自分らしく存在する」
そんな静かな強さと哀愁をにじませる1曲。

久保田 利伸「諸行は無常」

今年6月21日でデビュー40周年を迎える久保田利伸。その節目のタイミングで届けられた「諸行は無常」は、テレビ東京『WBS(ワールドビジネスサテライト)』でもオンエアされており、心地よさと高揚感が絶妙に同居した楽曲だ。

しなやかに流れるグルーヴに身を任せながらも、ふとした瞬間に身体が自然と乗り出してしまうようなサウンド。タイトルに込められた“無常”という言葉の響きとは裏腹に、楽曲からは「それでも前を向いて生きていこう」という彼なりのメッセージがにじみ出てくる。

40年というキャリアの中で、音楽とともに歩み続けてきた久保田利伸だからこそ伝えられる“今”のリアルな感情。節目を迎えたこの年、改めて彼の音楽に触れてみたくなる──そんなきっかけになる1曲だ。

宇宙団「カンフー指南」

東京を拠点に活動する、男女ツインヴォーカルの5人組ニューウェーブ系ポップ・バンド、宇宙団。8月13日にリリースされる4thフル・アルバム『銀河トリップ』から、先行配信されたのがこの「カンフー指南」だ。

イントロから響くベースラインは力強く、それでいてどこかユーモラス。カンフーの動きを彷彿とさせるようなリズムとフレーズが印象的で、聴くほどに癖になる中毒性のあるサウンドが広がっていく。ヴォーカルのキュートな歌声や、ふんわりと漂うポップさの中に、どこか懐かしい“昭和レトロ”のような雰囲気が混じり合い、独自の世界観を創り出している。

この1曲だけでもすでに“銀河”へのトリップが始まっているような感覚に包まれるが、アルバム全体ではどんな物語が展開されるのか。今からその全貌が明かされるのが楽しみでならない。

Unvivid「E.Y.P」

今年上半期のインディーズベストソングにも選出したMini M!kkeが、アーティスト名をUnvividへと改め、心機一転でリリースした初の楽曲「E.Y.P」。その変化の一歩目にふさわしい、洗練されたチルサウンドが印象的な1曲だ。

イントロから流れる柔らかなサウンドは、まるで静かなカフェで過ごす休日のよう。思わず深呼吸したくなるような空気感に包まれながら、Unvividの透明感ある歌声がやさしく心に溶け込んでくる。

力みのない自然体のボーカルと、落ち着きのあるトラック。その組み合わせが、“ただ心地よい”だけでは終わらせない奥行きを持たせている。何気ない日常の中にそっと寄り添ってくれるような1曲だ。

初めて聴いたとき「これは好きだ」と自然と感じた──そんな感覚を呼び起こしてくれる、Unvividの今後にますます期待が高まる作品となっている。

今週のオススメの6曲は以上です。
AWAでは、上記の6曲を含めた30曲を収録したプレイリストを公開しています。

AWAプレイリスト 収録

三浦大知 「Polytope」
椎名林檎 「芒に月」
back number「ある未来より愛を込めて」
LE SSERAFIM「Kawaii (Prod. Gen Hoshino)」
ニセ明「Fake」
CUTIE STREET「チョットヒトサジ」
SUPER BEAVER「主人公」
SHISHAMO「君に聞きたいひとつのこと」
Tele「硝子の線」
TM NETWORK「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)-2025 Version-」
UA「Happy」
櫻坂46「港区パセリ」
Chilli Beans.「pineapple!」
久保田 利伸「諸行は無常」
SIRUP「UNDERCOVER feat. Ayumu Imazu」
工藤大輝 「スターマイン」
Def Tech「Child in me」
Organic Call「トーキョーフライデーナイト」
DOPING PANDA「Darlin’ I love you」
名誉伝説 「共犯者」
Gum Girl「魔法のコトバ」
宇宙団「カンフー指南」
シェフの気まぐれ「雨宿り」
ヨルノピクニック「おひるね」
Iwankof「君からの脱獄」
メリクレット「メリーバッドエンド」
白昼夢「紫陽花」
マーマレードペンギン「この街で」
是猫「DOWNER ADORAB GIRL」
Unvivid「E.Y.P」

プレイリストはこちら
https://mf.awa.fm/3TRoTPC

今週も読んでいただきありがとうございました。来週もお楽しみに!