【新曲レビュー】RYO Weekly Music Selection 6選≪2025/09/10≫

こちらは、私が公式ユーザーを務めるストリーミングサービスの AWAで毎週水曜日に公開される『【邦楽】今週の最新曲』というプレイリストを全曲聞いてオススメの楽曲を紹介しています。

今週は291曲の中からおすすめの6曲を紹介します。ぜひ、新曲と出会うきっかけに。

藤井 風『Prema』

自身3枚目となるスタジオ・アルバム『Prema』を9月5日にリリース。今作は全曲英語詞で構成され、これまで以上にグローバルな視点を打ち出した作品となっている。

アルバムを通して感じられるのは、藤井風の音楽に常に漂う“懐かしさ”と“優しさ”。英語詞によって洋楽的な質感を纏いつつも、彼のルーツである岡山から世界を見据えるような温もりが随所に息づいている。その独特なバランスが、単なる英語アルバムにとどまらない、藤井風ならではの音楽体験を生み出している。

これまでの2作品も“名盤”と称されてきたが、『Prema』はその流れをさらに先へ押し広げ、藤井風の現在地を鮮明に示す作品といえる。世界へ向けて羽ばたくための挑戦であり、同時に彼の音楽の核心を再確認できるアルバムだ。今後のさらなる飛躍を予感させる、確かな一歩となっている。

HANA『BAD LOVE』

デビュー作から瞬く間にチャートを席巻し、2025年を代表する存在となったHANA。前作「BlueJeans」では繊細で美しい女性像を描き出していたが、今作「BAD LOVE」では一転、力強く立ち向かう姿を見せてくれる。英語詞を中心とした表現によって、新たな表情を感じさせる一曲だ。

「許したいけれど許せない」――そんな純粋で複雑な葛藤をストレートに描き出した歌詞は、聴く人の心を揺さぶる。後半にかけてテンポを上げていくサウンドは勢いを増し、聴けば聴くほどクセになる中毒性を放つ。

メッセージ性の強さとポップスとしての力強さを兼ね備えた「BAD LOVE」は、HANAがアーティストとして進化し続けていることを証明するキラーチューン。今後の活動への期待をさらに高めてくれる作品だ

なにわ男子『アシンメトリー』

ドラマ「リベンジ・スパイ」の主題歌。ポップでかわいらしい楽曲が多いなにわ男子だが、「The Answer」に代表されるようなクールでシリアスな楽曲もまた、彼らの大きな魅力のひとつだ。

切なくもエモーショナルな旋律に、力強く舞い上がるダンスナンバーとしての疾走感が重なり、聴くたびに胸を揺さぶられる。特に、ラスサビ前の大橋和也のソロパートからラストにかけての盛り上がりは、何度聴いても鳥肌ものだ。

サブスク解禁によって、改めてなにわ男子の幅広い音楽性を堪能できるようになったのはファンにとっても嬉しい出来事。これをきっかけに、これまでの楽曲を振り返りながら彼らの成長を感じてほしい一曲だ。

GENERATIONS × Da-iCE『Grounds』

【a-nation 2024での共演をきっかけに、工藤大輝(Da-iCE)と白濱亜嵐(GENERATIONS)のふたりが中心となり制作された「Grounds」。作詞・作曲を工藤と白濱が手がけ、アレンジにはShin Sakiuraを迎えて生まれた渾身のコラボレーションだ。

デビューした年もほぼ同じ両グループ。数年で一気にブレイクを果たしたGENERATIONSと、遅咲きながらも確実にキャリアを積み重ねてきたDa-iCE。その対照的な歩みが重なり合い、新たなステージを目指す決意のように響く。

楽曲はもちろん、両者が放つパフォーマンスも圧巻。ファンにとっては夢の共演であり、互いを少ししか知らない人にとっても強烈なインパクトを与えること間違いなしだ。世代を代表する2組が手を取り合って描き出す「Grounds」は、2025年のJ-POPシーンを象徴する一曲となるだろう。

オレンジスパイニクラブ『ネクター』

9月10日にリリースされるニュー・ミニアルバム『ナイフ』に収録された一曲。作詞・作曲を担当したのはスズキナオト(g,cho)。毎日のようにメンバーと遊んでいた青春時代の記憶を、当時よく飲んでいた『ネクター』に重ねて描いた楽曲だ。

サウンドからもどこか懐かしさが漂い、青春の空気感がそのまま閉じ込められているように感じられる。代表曲『キンモクセイ』の印象が強い人も多いだろうが、あれから5年、バンドの音楽には確かな“オレンジスパイニクラブの味”がより濃く反映されるようになった。

近年のリリース曲の中でも、思わず「好きだ」と感じる曲が増えているのも事実。改めて、いま聴いてほしいバンドとして強くおすすめしたい。

Lead『Roller Coaster』

9月24日にリリースされるミニアルバム『REPRISE』から先行配信された「Roller Coaster」。耳にした瞬間、まるでタイムスリップしたかのような感覚に陥った。

『REPRISE』は2002年のデビュー当時を想起させるサウンドや世界観で構成された全6曲を収録。当時からLeadを聴いてきた人にとっては、2000年代の音楽シーンを彷彿とさせる懐かしさがこみ上げるだろう。一方で、今のLeadだからこそ表現できる色気や歌唱力が加わり、成熟した現在地を示す楽曲へと仕上がっている。

近年、2000年代のサウンドがリバイバル的に流行している中で、この楽曲は若い世代にとって新鮮に響くかもしれない。懐かしさと新しさが交差するLeadの新章。ミニアルバム全体を聴ける日が今から楽しみだ。

AWAプレイリスト 収録

藤井 風『Prema』
King Gnu『SO BAD』
HANA『BAD LOVE』
なにわ男子『アシンメトリー』
なにわ男子『Black Nightmare』
GENERATIONS × Da-iCE『Grounds』
マカロニえんぴつ『いつか何もない世界で』
JUJU『小さな歌』
ハク。『それしか言えない』
オレンジスパイニクラブ『ネクター』
DOPING PANDA『2043』
Billyrrom『Hold Me Tight』
HOME『feel like a goss』
ODD Foot Works『Taida A La Mode』
NakamuraEmi『デイジー』
藤川千愛『誰も言ってくれないから』
Suspended 4th『Undo』
パキルカ『ナマイキスト』
Lead『Roller Coaster』
クアイフ『YOU SEE?』
おとなりにぎんが計画『手、汗』
イクラノドン『眠っている間、現実に無い事象の感覚を起こすこと。』
至福ぽんちょ『優しさ』
不眠旅行『深夜高速』
AKAMONE『呪い』
ドミノンストップ『朝の唄』
EVE OF THE LAIN『ワンダーランド』
レイドバック『Human.』
三国未来『本音』
気づいたら劇団『デート前のテーマ1』

プレイリストはこちら
https://mf.awa.fm/4gkKjPD

今週も読んでいただきありがとうございました。来週もお楽しみに!