【新曲レビュー】RYO Weekly Music Selection 6選≪2025/10/08≫

こちらは、私が公式ユーザーを務めるストリーミングサービスの AWAで毎週水曜日に公開される『【邦楽】今週の最新曲』というプレイリストを全曲聞いてオススメの楽曲を紹介しています。

今週は293曲の中からおすすめの6曲を紹介します。ぜひ、新曲と出会うきっかけに。

ポルノグラフィティ『THE REVO』

『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』のオープニングテーマ。1期のオープニングを担当したポルノグラフィティが、シリーズ最後の主題歌を手掛けることでもリリース前から大きな話題を呼んだ。ポルノグラフィティのファンクラブに所属し、さらに『ヒロアカ』の大ファンでもある私にとって、この発表は思わず声が出るほどの驚きだった。

歌詞の中には、1期オープニング『THE DAY』のフレーズも織り込まれており、長年のアニメファンの胸を熱くさせる仕上がりとなっている。暗闇を照らすように力強く突き抜けるメロディと、夜明けを象徴するような希望のサウンド。そして岡野昭仁のエネルギーに満ちた歌声が、作品のテーマと完璧に呼応している。

アニメのラストを彩るにふさわしい壮大な楽曲であり、まさに“ポルノグラフィティらしさ”と“ヒロアカらしさ”が見事に融合した一曲。彼らのキャリアの中でも、新たな代表曲となることは間違いないだろう。

BE:FIRST『Stare In Wonder』

TVアニメ「ワンダンス」のオープニング主題歌。原作の愛読者であるSKY-HIが、作者・珈琲先生との対話を重ねながら、主人公・小谷花木がダンスを通して成長していく物語を音楽として描いた一曲。アニメの世界観に寄り添いつつ、同時にBE:FIRST自身の“歩んできた軌跡”とも自然に重なっているように感じる。

私にとって、ポルノグラフィティが殿堂入りする存在だとすれば、次に名前を挙げたいのはBE:FIRST。彼らは、まさに“ダンスと音楽で成長していく”というテーマを体現してきたグループだ。その姿勢は、作品の主人公が抱く葛藤や情熱とリンクし、音楽を通して互いに響き合っているように思える。

ベストアルバムに収録されるこの楽曲を聴くと、これまで彼らが築いてきたストーリーが一本の線としてつながっていく。繊細な旋律、リズムに込められた躍動、そして何よりも強く放たれる希望のエネルギー。BE:FIRSTの歴史を辿りながらこの曲を聴くと、きっとまた新しい感動を届けてくれるだろう。

スピッツ『灯を護る』

アニメ『SPY×FAMILY Season 3』のオープニング主題歌。毎シーズン、豪華アーティストが主題歌を担当してきた本シリーズだが、今回はスピッツという意外性のある起用に心が躍った。発表を聞いた瞬間、「この組み合わせは想像していなかったけれど、確かに合う」と納得してしまった。

やわらかく、あたたかみのあるメロディライン。スピッツらしい繊細なサウンドと草野マサムネのやさしい歌声が、フォージャー家の穏やかな日常を包み込むように響く。一方で、その裏にある“スパイとしての緊張感”や“隠されたもう一つの顔”を思わせるような、淡い切なさや芯の強さも感じ取れる。

表と裏、光と影——そのどちらの側面も描かれる『SPY×FAMILY』という作品に、スピッツの音楽性が見事に溶け合っている。家族というテーマを、やさしさと少しの憂いをもって描いたこの楽曲は、聴くたびに心を温め、同時に深く響く余韻を残してくれる。

RADWIMPS『ワールドエンドガールフレンド』

RADWIMPSがリリースしたニューアルバム『あにゅー』に収録された一曲。NHK連続テレビ小説『あんぱん』の主題歌「贈物」も含まれる今作は、彼らの20年という長いキャリアを経てなお、進化し続ける音楽性を感じられる作品だ。

アルバム全体を通して聴くと、これまでのRADWIMPSらしい独創的なサウンドや言葉遊びの妙を随所に感じながらも、サウンドプロダクションや表現の幅が格段にアップデートされていることに気づく。バンドとして積み重ねてきた経験と、常に新しいものを追求する姿勢。その両方が融合した“今”のRADWIMPSを象徴する一枚だ。

個人的にも、これまでのリリースされた作品の中で一番好きな作品かもしれない。いろんな進化をしながら、20年という歴史をたどってきた彼らが作り出した新しいバンドの形を感じることができる作品だ。

Hey! Say! JUMP『GHOST』

Hey! Say! JUMPがおよそ10年ぶりに放つハロウィンソング『GHOST』。振付を手掛けたのは、宮近海⽃(Travis Japan)とMacoto(RHT.)。クラシカルなストリングスと軽快なポップサウンドが融合し、まるで洋館の中で開かれる仮面舞踏会に迷い込んだような世界観を作り出している。聴けば聴くほど、その幻想的で遊び心のある雰囲気に引き込まれていく。

ハロウィンというテーマをエンターテインメントとして全力で表現しながらも、JUMPらしいキラキラとしたポップさがしっかりと息づいている。メロディラインのキャッチーさに加え、メンバーそれぞれの歌声が際立ち、まるで物語の登場人物のようにキャラクター性が光る一曲だ。

そして何よりうれしいのは、STARTO ENTERTAINMENT所属アーティストの新曲を、こうして当たり前のように紹介できるようになったこと。時代の変化を経て、音楽が再び自由に届くようになった今、この『GHOST』が多くの人にとって“音楽を楽しむ純粋な喜び”を思い出させてくれる作品になっている。

Dolly Varden『Fly Away』

これまで何度も紹介してきた高知県発のオルタナティブロックバンド、Dolly Varden(ドリーバーデン)が待望の新曲をリリース。UKロックの影響を感じさせるサウンドに、洗練されたおしゃれさが同居する。イントロのギターから広がる空気感、そしてボーカルの伸びやかな歌声が重なり合い、まるで空を駆け抜けるような開放感を与えてくれる。タイトルの「Fly Away」にふさわしく、現実から少し離れて心を自由に羽ばたかせてくれるような楽曲だ。

このバンドを1年ほどリリースを追ってきたが、聴くたびに「本当に高知県のバンドなのか」と驚かされる。地方発でありながら、音のクオリティ・世界観ともに全国区のシーンで勝負できる力を持っている。高知出身の自分としても誇らしい存在だ。

そして今週10月17日には、高知県立県民文化ホール・グリーンホールにて2ndワンマンライブが開催される。予定があり行けなかったが、間違いなく素晴らしい夜になったはずだ。もし行ける人がいるなら、ぜひその熱を生で感じてほしい。Dolly Vardenというバンドの現在地と未来を体感できる貴重な時間になるだろう。

AWAプレイリスト 収録

ポルノグラフィティ『THE REVO』
BE:FIRST『Stare In Wonder』
スピッツ『灯を護る』
YOASOBI『劇上』
RADWIMPS『ワールドエンドガールフレンド』
羊文学『いとおしい日々』
Snow Man『TRUE LOVE』
Hey! Say! JUMP『GHOST』
FRUITS ZIPPER『はちゃめちゃわちゃライフ!』
家入レオ『Mirror feat. 斎藤宏介』
マカロニえんぴつ『化け物』
にしな『パンダガール』
10-FEET『スパートシンドローマー』
Chilli Beans.『that’s all i can do』
Chevon『FLASH BACK!!!!!!!!』
CENT『yummy goodday』
チョーキューメイ『青の魔法』
luv『meguri』
Blue Mash『僕は嘘つき、君は沙希』
Czecho No Republic『Day by Day』
セブンス・ベガ『魅惑のバニラ』
sympathy『飛んで、ネオン』
らそんぶる『ストロベリームーン』
ボタニカルな暮らし。『マウス』
The Bottomz『落ち星』
brkfstblend『Fever』
13.3g『眠民ゼミ』
フリージアン『体温』
藍坊主『きみがいれば』
Dolly Varden『Fly Away』

プレイリストはこちら
https://mf.awa.fm/4nMIkXe
今週も読んでいただきありがとうございました。来週もお楽しみに!